最近はリフォームが一般化したこともあり、住まい探しに中古の一戸建てを選ぶ方も増えてきました。
リーズナブルな価格で理想の住まいを手に入れられるのが中古住宅の魅力。しかしトラブル率が高い注意すべき物件も存在するため、見極めが大切になります。
今回は中古一戸建て物件を選ぶ際の注意点や、買ってはいけない中古住宅について詳しく解説します。
目次
■中古一戸建ては選択肢としてアリ?
マイホーム選び探しでは「新築 VS 中古住宅」というテーマを良く目にしますよね。結論から言えば、現代では中古のメリットが大きくおすすめの選択肢になってきました。
少し前までは新築の割合が高い時代でしたが、令和時代に入り「中古住宅が恥ずかしい」という風潮もなくなり非常に選びやすくなりました。
景気が良かったころに建てられた豊富な物件から選べることもあり、理想の住まいに出会える可能性も高くなっています。土地物件がなかなか出回らない人気エリアでも、中古住宅に視野を広げると見つかることは少なくありません。
もちろん新築ならではの魅力もありますが、コストパフォーマンスの良い中古住宅も、現代なら有効な選択肢の一つです。
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■中古一戸建て選びの注意点
・雨漏れはないか?
中古住宅の劣化原因として多い雨漏れの有無は、しっかりチェックすべきポイントです。軽微な雨漏れでも長い間続くと柱や土台を腐らせ、次で説明するシロアリ被害を引き起こすケースもあります。
天井や壁など目に見える場所に雨染みがある物件は、構造部分の腐食が発生していないかしっかり確認しましょう。押し入れやクローゼットから天井裏が覗ける場合、目視したり写真を撮ったりするのもおすすめです。
- 天井や壁に雨染みはないか?
- 壁紙がはがれている箇所はないか?
- 天井裏を覗いて濡れた跡がないか?
・シロアリ被害はないか?
木造が基本となる日本の住宅は、シロアリに柱や土台を食べられるトラブルも多く、耐久性に影響を及ぼす可能性もあります。
室内にアリの死骸や羽が落ちている住まいは、シロアリが発生している可能性が高いので要注意。屋外の縁側やウッドデッキ、生垣の支柱などがボロボロになっている家も、シロアリを呼び寄せている可能性が高いです。
住まいのメンテナンス履歴が分かる場合は、定期的なシロアリ消毒が施されていたかチェックするのも効果的です。
- 羽アリの死骸はないか?
- フローリングなどに木くずや穴が開いている箇所はないか?
- 濡れ縁や生垣がボロボロになっていないか?
・水回りの漏水はないか?
雨漏れと同じように、水回り設備の老朽化による水漏れも木造住宅の寿命を縮める原因となるためしっかりチェックしましょう。
キッチンや洗面台は扉を開けて、キャビネット内にカビや腐食がないか確認します。トイレが水漏れしていると床板が腐ってフワフワしていることがあるので、踏んだりたたいたりするとわかりやすいです。
古いタイル浴室は大きなヒビがあったり、洗面所の床が柔らかくなっていたりすると水漏れの可能性があります。
- 設備の周辺にカビや腐食はないか?
- 水回りの床が腐って柔らかくなっていないか?
- タイル浴室に大きなヒビがないか?
・リフォームしにくい構造ではないか?
中古住宅は購入後リフォームする方が多いですが、間取り変更を考えているなら構造にも注意すべきです。
例えば日本では採用例が少ないツーバイフォー工法の家は、対応できる職人が少ないため大掛かりな工事だと会社探しが大変です。
在来工法の場合も二階までの通し柱や重要な耐力壁は移動できないため、リビングを広げられないケースなどもあります。
リフォームも考えるなら物件探しと工事を一社でこなせる「ワンストップ体制」の会社に相談するのがおすすめです。
・耐震強度は不足していないか?
築年数が古い物件を検討する際は、建物の耐震強度に注意しましょう。日本の耐震基準は1981年に大きく変更されているため、これ以前に建てられた物件は耐震強度が大きく不足している可能性があります。
強度が足りないからすぐに倒壊するというわけではありませんが、地震によるダメージがあると補修費用が掛かってしまいます。安いと思って購入した物件に、思ったより耐震補強の費用が掛かってしまったケースも少なくありません。
良いと思った物件の築年数が古い場合は、多少費用が掛かっても耐震診断を実施するのが良いでしょう。
・周辺環境は悪くないか?
建物の間取りや設備、劣化状況にくわえて、周辺状況にも要注意サインが潜んでいます。
ゴミの集積場が荒れていたり、私道に不要物が放置されていたりする物件は、引っ越し後近隣トラブルに巻き込まれる危険性が高いです。
隣近所に空き家が多いケースも要注意。空き家は将来的に倒壊するリスクがあり、犯罪者の隠れ家になる危険性なども持っています。
建物のチェックが終わったら、ちょっと足を伸ばして近所を歩きながら環境もチェックしてみましょう。
■買ってはいけない中古住宅の例
・建築基準法違反がある
最近の戸建て住宅は完了検査を受けることが当たり前でしたが、昔の物件では検査を受けておらず建築基準法に則っていないケースも見受けられます。建ぺい率や容積率が収まっていないといった明らかな違法物件は、もちろん購入すべきではありません。
建てたあとで法律が変わって適合しなくなった物件は「既存不適格建築物」と呼ばれます。こちらは違反ではないため使用停止や作り直し命令を受けることはありませんが、増改築の際に制限を受ける可能性があります。
どちらにしてもリスクがある物件になりますので、よほどの理由がなければ購入しない方が良いでしょう。
・道路幅が4メートル以下
昔ながらの住宅街などで設置道路の幅が4メートル以下の場合は、建築基準法の接道義務を満たすためにセットバックが必要になります。
すでにある建物が削られることはありませんが、将来建て替えするときに土地の面積が減ってしまいます。転勤などで売却することになった際に売りづらいといったデメリットも。
道路幅が狭いと緊急車両の到着が遅れたり、引っ越しのトラックが入りにくかったりといったデメリットもあります。車の運転も慣れないと不安なので、なるべく避けた方が良い物件です。
・基礎や建物に大きなひびがある
経年劣化による細かいヒビではなく、基礎から建物にかけて貫くような大きなヒビがある物件は避けた方が良いでしょう。
地盤の変動による建物の歪み、基礎や土台の腐りによる耐久性不足などが考えられます。
地震による倒壊リスクや補修費用が掛かる可能性もあります。
・浸水や土砂崩れの可能性が高い
周囲より低い土地や崖が背後にある土地など、自然災害のリスクが高い物件も当然避けるべきです。
目に見えて分かりにくい災害リスクもありますから、自治体のハザードマップを確認しましょう。
水害・地震・土砂崩れといった災害のリスクを確認して、安全な物件探しに役立ててください。
・集水マスの蓋が取れている
排水管の点検や清掃で使う集水マスの蓋が取れていたら、水はけが悪い土地の可能性があります。雨天時に大きな水たまりができると、浮力で蓋が取れてしまうのです。
検討物件のマス蓋が取れていたら、近所のお庭もちょっと目視してみてください。同じように蓋が取れている家が多い地域は、土壌自体の水はけが悪い可能性があります。
・外壁屋根の凹凸が多い
外観から見て凹凸が多いシルエットの家は、雨漏れリスクが高いため避けた方が良いでしょう。切り欠きや大きなオーバーハングがあるケースは、構造的に安定性が低く大地震時の倒壊リスクも考えられます。
・ドアや引き戸の動きが固い
内見時にドアや引き戸、窓ガラスや雨戸の動きが悪い家は、大きな歪みが発生している可能性があります。雨漏れによる腐食、シロアリ被害などが遠因となっているケースもありますので、基本的には積極的に狙わない方が良いでしょう。
■ねらい目の築年数はある?
中古住宅を探している方からは、「築何年くらいがオトク?」というギモンが良く挙がりますが、基本的にねらい目の築年数はありません。仮に築浅で安い物件があっても、雨漏れやシロアリ被害があったらオトクな買い物とは言えませんよね。
築年数による値下がりの傾向などはありますが、一軒ごとに設備や劣化の状態は違います。エリアの人気度や土地価格も含めて判断する必要もありますから、基本的には価格と建物のバランスをしっかりチェックすべきです。
築年数を決め打ちして探すのは選択肢を狭めることになりますから、予算や条件をベースに探すようにしましょう。
■まとめ:要注意物件を回避して理想のマイホームを選びましょう
価格を抑えて理想の間取りを実現しやすい中古戸建てですが、市場には注意すべき物件も少なくありません。チェックポイントをしっかり覚えて内見・比較し、理想のマイホーム選びに役立ててください。
また中古物件選びをサポートする不動産会社の目利き・アドバイス力も重要です。建築に対する知識や技術力、地域の情報力を併せ持った不動産会社に相談しましょう。
茨城県で中古戸建てをお探しの際は、私たちライズクリエーションにもぜひご相談ください。新築・リフォーム事業で培った建築ノウハウを活かし、安心して暮らせる中古物件探しをサポートします。
中古住宅選びやその後のリフォームに関する相談会も毎週実施しています。ぜひお気軽にご参加ください♪