土地に建物を建てる場合、建築前に土地の造成工事が必要になるケースがほとんどです。
しかし、選ぶ土地によっては造成工事の費用を抑えることができることをご存知でしょうか。
造成費用を抑えることができれば、土地や建物の予算を上げることができますね。
今回は、造成費用が抑えられる土地の特徴を紹介します。
目次
◼土地の造成費用とは?
土地の造成費用とは、土地を建てられる状態にする工事にかかる費用のことです。
土地にたくさん木が生えていたり、道路と土地の高さに差があったら、そのまま建築はできませんよね。
家を建てるときは少なからず造成が必要になるため、そのための費用は確保しておく必要があります。
・どんな工事が必要?
住宅を建てるときに必要になりやすい造成は次の6つです。
- 整地 :がれきや石などの不要物を取り除き、土地を平らにならす工事
- 伐採や抜根:草や木を抜いて建築の邪魔になる植物を取り除く工事
- 盛土・切土:敷地に足りない土を足したり、余分な土を削ったりする工事
- 土留め :土が雨などで流れ落ちないように壁を作る工事
- 残土の処分:切土をして不要になった土を処分するために運搬する作業
- 地盤改良 :地盤が弱い場合に補強する工事
基本的に整地はどの土地でも必要になるケースがほとんどです。しかし、その他の工事は土地によって不要なこともあります。
購入を検討するときには、土地にどのような造成が必要なのか確認しましょう。
・宅地の造成費用の平均は?
一般的に、家を建てるためにはどのくらいの造成費用がかかるのでしょうか。
結論から言うと造成費用の平均金額はわかりにくいです。
なぜなら、土地によって条件が違いますし、業者によって工事費用は大きく異なるからです。
ただし、国が発表している財政評価基準の宅地造成費を見ることで、造成費の目安を確認することはできます。
茨城県の金額は以下の通りです。
- 整地費用 : 700円/㎡
- 伐採・抜根費用:1,000円/㎡
- 地盤改良費用 :1,600円/㎡
- 土盛費用 :7,000円/㎥
- 土留め費用 : 75,500円/㎡
自分が検討している土地の面積などを当てはめて計算してみてくださいね。
ただし、あくまで目安なのでお願いする工事業者によって金額の差があることは理解しておきましょう。
◼造成費用が抑えられる土地の特徴
造成費用が抑えられる土地の特徴を5つ紹介しますので、土地探しのときに意識してみてください。
・道路と土地に高低差が少ない
道路と土地に高低差が少ないと造成費用がかかりにくいです。
なぜなら盛土や切土の工事が不要になったり、最小限で済んだりしますからね。
道路よりも土地が低い場合、盛土工事をして土を足さなければいけません。
雨が降ったときに敷地内に水が溜まってしまいますし、車や人の出入りも大変だからです。
ちなみに、道路との高低差は少ないが隣の家の土地と高低差がある場合も、盛土をして水が溜まることを防ぐことがあります。
道路と土地だけでなく、隣家と自分の敷地の高さもチェックすると良いでしょう。
逆に、道路よりも土地が高い場合は、切土工事をして土の量を減らします。
高台などは切土をせずに、土留め工事をして土が崩れないようにします。
画像のような土留めが施工されていれば、建物の荷重が地面にかかっても土がくずれません。
また、造成工事をして次のような状況になる場合は、都道府県知事の許可が必要です。
-
・盛土をして1m以上の崖ができる場合
-
・切土をして2m以上の崖ができる場合
-
・盛土・切土を合わせて2m以上の崖ができる場合
工事費用だけでなく手間や期間もかかりますので、道路と土地の高低差が少ない土地をおすすめします。
・木が生えていたり大きな石が落ちていない
土地がきれいな空き地なら、すぐに建築工事に取り掛かることができます。
上の画像くらいの草なら、除草剤をまいたり軽く整地をすれば問題ありません。
たくさんの木や雑草が生えている土地は、伐採や伐根をした後に整地を行う必要があります。
根が深かったり大きかったりすると、根を取り除いた部分に盛土をして土を足さなければなりません。
また、不要ながれきや石が落ちている場合は、取り除いて処分が必要です。
もちろん建築に関係ない場所にある樹木や石などは、残しておいても問題ありません。
しかし、根が建築する場所まで伸びている場合は、伐根が必要になることもありますので覚えておきましょう。
・土地がコンクリート敷きや田んぼではない
土地がコンクリート敷きや田んぼの場合は、高額な造成費用がかかることがあるため注意が必要です。
対して、元々家が建っていた土地や畑などは、造成費用を抑えるられる可能性があります。
駐車場として使われていた土地などは、コンクリートが敷かれていることがありますよね。
建物を建てる部分がコンクリート敷きになっているなら剥がさなければなりません。
コンクリートを撤去するには、重機を使った工事が必要なので費用がかかります。
また、田んぼとして使われていた場合は、たくさんの盛土をして土地の高さを上げる工事が必要です。
盛土をした田んぼは地盤が弱いケースも多く、地盤改良になる可能性も高いです。
田んぼだった土地や川に近い土地を選ぶときは、地盤改良が出ると思っておいた方がいいしょう。
ただし、地盤改良工事に関しては調査してみないとわからないため、どんな土地でも予算組みをしておくことがおすすめです。
・面積が小さい
面積が小さい土地は造成費用がかかりにくいでしょう。
なぜなら、敷地全体の土の量が少ないため、盛土や切土工事の費用が少なくて済むからです。
また、敷地の外周に土留めをするときなども、距離が短いため費用を抑えられます。
・地盤が強い
地盤が強い土地は、地盤改良の費用がかからないため造成費用の削減につながります。
先ほど、地盤は調査して見ないと強度がわからないとお伝えしました。
しかし、過去のデータを確認することで、建築エリアの地盤の強度をチェックすることができます。
また、地元の不動産屋や住宅会社なら「このエリアなら地盤改良がでない可能性が高い」という情報を知っているかもしれません。
エリアにこだわりがないなら、地盤が強いエリアの土地を候補にいれても良いでしょう。
■本体価格に造成費用が含まれている土地もある!
土地を探していると「造成工事費込」と書かれた土地情報を目にしたことはないでしょうか。
不動産屋によっては、自社で造成工事を行ったきれいな状態の土地を販売していることがあります。
資料には書いていなくても、現地を見に行ったらきれいに整地された土地だったということもあるでしょう。
特に分譲地などは、区画分けを明確にしたり共有道路を作ったりするために、造成工事を行うことが多いです。
造成された分譲地には、次のような良いことがあります。
-
・他の土地もまとめて造成するため安い費用で工事ができる
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・分譲地全体で同じ造成工事なので見栄えが良い
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・造成工事が完了している土地ならすぐに建物工事に取り掛かれる
1区画当たりにかかった造成工事の費用が不明瞭なため、絶対にお得という訳ではありません。
ただし、1区画だけを自己負担で造成するよりは、まとめて造成する分譲地の方が低価格になる可能性は高いです。
逆に、造成された分譲地にはデメリットもあります。
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・造成中の土地はスケジュールが遅れることがある
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・全区画一斉に工事をするため自分に要望に合った造成工事はできない
お願いする不動産屋によっては聞いていたスケジュールよりも造成工事が遅れ、建物着工のタイミングがズレる可能性があります。
契約する前に明確な工事スケジュールを教えてくれる不動産屋を選ぶと良いでしょう。
■造成や建築によって固定資産税の金額が変わるため工事のタイミングには注意が必要
固定資産税とは、1月1日時点の土地の所有者に課せられる地方税です。
住宅用の土地は軽減措置の特例があり、固定資産税額が一般住宅用地は1/3(小規模住宅用地は1/6)に減額されます。
しかし、これはあくまでも住宅が建っている土地の場合です。
造成工事が1月1日をまたいでしまうと特例は受けられないため、軽減措置されない税額を支払わなければなりません。
逆に、1月1日以降に土地を造成し年内に建物が完成すれば、翌年の固定資産税は軽減されますのでお得です。
可能ならば年をまたがずに、土地の造成と建物工事を完了させましょう。
◼まとめ
選ぶ土地によって造成工事の内容や費用は大きく異なります。
土地探しの段階から造成工事のことを考えて、現地をチェックするようにしましょう。
また、造成工事をする業者を選ぶときは、複数の会社に見積もりを依頼して金額を比較することも大切です。
造成工事の費用が抑えられる土地を選び、こだわりのマイホームを建ててくださいね。
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