つくば市は、首都圏まで約40分というアクセスの良さと、豊かな自然環境、教育機関も充実していることから、住みやすい街として人気のエリアです。
つくば駅近くには多くのマンションが建ち並ぶほか、市内には中古マンションも築浅から築年数が古い物件まで様々あるため、どのマンションを選ぶのがベストなのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、できるだけお得に中古マンションを購入したい方に向けて「築年数20~30年程度の中古マンション」に範囲を絞って探す時の物件比較のポイントを紹介します。
目次
■ 築年数20~30年が中古マンション選びの基準となっている理由
・築年数30年以降は中古マンションは価値が下がりにくい
築年数20~30年前後の中古マンションは、価格と築年数のバランスが良いことから中古マンションを選ぶ際の選択肢としても人気が高いです。
レインズの公開している中古マンションの築年数別平均価格データを見ると、首都圏の中古マンションは新築から築20年くらいで6割程度まで価格が下がり、築21~25年で約5割、築26~30年になると約3~4割の価格になっています。
表:首都圏の中古マンションの築年帯別平均価格(2020年・レインズデータライブラリー)
(2020年・レインズデータライブラリーより弊社で作成)
そして、築30年以降は価格下落が緩やかになる傾向があります。築年数25~30年程度のマンションは、新築よりも購入しやすい上、その後も大きな価格下落が起きにくいという理由で人気が高いのです。
あくまで平均の下落率であり全てのマンションが30年経てば絶対安くなる、というわけではありません。駅近など立地的に需要が高い、管理体制が整っていて大規模修繕工事計画などがしっかり行われているマンションは、価値も高く維持され価格も下がりにくくなります。
・築年数30年以内からリフォーム、リノベーションしやすい物件が増えてくる
1990年代以降は、「逆梁(ぎゃくばり)アウトフレーム工法」が普及しはじめ、室内の角に梁の出っ張りがない構造のマンションが増えてきます。梁による圧迫感がなくリフォームやリノベーションの自由度も上がります。
また、2000年以降に普及し始めた「二重床」「二重天井」のマンションも、同様にリフォームがしやすい構造です。二重床は床スラブと床の間に空間を、二重天井は天井スラブと天井の間に空間を作って配管や電気配線を通しています。
二重床、二重天井を取り払って躯体現しにすれば天井高が上がって広い空間がつくれます。また、水回りの変更に伴う配管の移動や、照明の変更・移動が行いやすいというメリットがあります。間に防振ゴムを挟んでいるので遮音性に優れていることもメリットです。
二重床、二重天井の逆が直床、直天井です。スラブとの間に空間をつくらないため、始めから天井が高いことがメリットですが、水回りや配線の移動を伴うリフォームが難しい場合があること、フローリングへの衝撃がコンクリートスラブに伝わりやすいことがデメリットです。
将来のリフォームも見据えて、築年数20~30年のマンションを選ぶ場合は、このようなマンションの構造についても確認しておきましょう。
■ 築年数20~30年の中古マンション比較時のチェックポイントと注意点
それでは、築年数20~30年程度のマンションなら全て買いなのか、といえば必ずしもそうではありません。物件ごとに現状の資産価値には違いがあります。築年数は1つの目安にはなりますが、家はずっと快適に安心して住めるかということが何よりも大切ですよね。
そこで、同程度の築年数の中古マンションを比較する時に大切なポイントと注意点を紹介します。
・管理、メンテナンス状況
RC造、SRC造のマンションの耐用年数は、財務省の減価償却資産の耐用年数等に関する省令では47年とされています。しかし実際には、築40年を超えても問題なく住めるマンションは存在しますし、適切にメンテナンスを行えば100年以上耐用できるとも言われています。
そこで重要になってくるのが「マンションのメンテナンス計画」です。
国土交通省のガイドラインでは、マンションは快適な居住環境を確保、維持するために長期修繕計画を立てて計画的に実施することが求められています。
そして、修繕積立金は必要に応じて修繕工事を実施できるかを検討した上で金額が設定されています。
現在のマンションは12~16,7年ごとに大規模な修繕工事を実施することが多いです。築20~30年前後のマンションであれば、1度は行われているという計算になります。物件の比較の際は、マンションごとの長期修繕計画を確認して、修繕が計画的に行われているか、修繕積立金の金額の根拠が示されているか、長期計画について住人の合意形成がされているかなどを確認しておくことが大切です。
また、実際に物件を見学した際、外壁など外から見える部分に気になる部分があれば、修繕の予定があるか管理人に聞いてみましょう。
住んでからも適切なメンテナンスが行われる物件かということを知る1つの基準となります。
・共用部分の管理と設備
マンションの共用部分の状態も、適切な管理がなされているかを知る1つの基準になります。物件の見学時にはエントランスはもちろん、エレベーター、廊下、階段、ゴミ置場、駐車場・自転車置場、集会室などの共用部分をチェックします。
掃除が行き届いているか、貼り紙は最新情報が掲示されているか、移動時に危険な場所がないか、セキュリティ対策はどうなっているかなど1つ1つしっかり見ておきましょう。
・住人の雰囲気
長く住み続けられる中古マンションのポイントとして、同じマンションの住人の雰囲気が自分に合うかも重要です。すでに形成されているコミュニティの雰囲気や住民の関わり方などを知っておきたいところです。
朝、昼間、夕方、夜それぞれの時間帯でマンションの近くを歩いてみて、入居している住人や近隣との付き合いの傾向などを直接感じてみるのもおすすめです。
また、中古マンションは、マンション口コミサイトなどで掲示板に住民の声が集まっていることがあります。全ての書き込みを鵜呑みにするのは危険ですが、設備の詳しい情報や住民の雰囲気、良い点、不満点などフラットな評価が見れるので1つの参考にはなります。
・耐震性
長く安心して住めるマンションは耐震性が重要です。1981年6月に建築基準法の耐震基準が大幅に改正されたことで、それ以降の建物はこの「新耐震基準」によって建てられています。
マンションは確認申請をしてから竣工までに数年かかることもあるため、1981年6月以降に竣工しているマンションでも、新耐震基準で建てられているかを確認しましょう。
また、1981年6月以前に確認申請をして建てられたマンションでも、新耐震基準の適合証明がされている場合や、耐震改修済みのマンションであれば耐震面は安心できます。
・築年数25年以内や新耐震基準適合なら住宅ローン減税を利用できる
中古マンションの購入でも、住宅ローン減税を利用することができます。住宅ローン減税を利用すれば最大10年間、毎年のローン残高の1%が所得税から控除されるためマンション購入の負担を軽減することができます。
住宅ローン減税の適用要件は、マンションなどの耐火構造物では築25年以内という条件があります。
このため、住宅ローン控除を利用できる「築年数25年以内」もお得な中古マンション購入の1つのポイントになってきます。
ただし、築25年以上であっても、新耐震基準に適合していることを証明できれば控除を利用することができるので、ちょうど築年数25年前後で条件を満たすか分からない中古マンションの場合は必ず確認しておきたいポイントです。
中古マンションで住宅ローン控除を利用できる詳しい条件については、次回以降のコラムで詳しく解説します。
・断熱性・温熱環境
マンションの最上階や日あたりの良い外壁側の妻住戸は人気が高いですが、これらの位置を選ぶ場合は特に、「マンションの断熱計画」も確認しておきたいポイントになります。
マンションの屋根に近く夏場熱くなりやすい最上階は天井の断熱が、
外気に触れる外壁に近い妻住戸では外壁側の壁の断熱が、
最下階住戸では、床下からの冷気の侵入を防ぐ床下の断熱が重要です。
このように、1つのマンションの中でも部屋の位置によって断熱の工夫で対応しているかをチェックしておけば、そのマンション自体が快適性を重視して建てられていると考えることができます。
■ まとめ|中古マンション選びは築年数だけでなく「管理状況」が大切
中古マンションの購入にあたっては、築年数で一概にマンションの価値を見極めることはできません。築浅だから安全、築古だから危険という数字よりも、物件1つ1つの管理状況やメンテナンス計画、住民の雰囲気、採用している構造や耐震、断熱の方法などをチェックして比較することで、物件の本当の価値が見えてきます。
今回業界した比較基準から、自分にとって最重視することは何かを決めて優先順位をつけることで、物件選びもしやすくなりますので、参考にしてくださいね。
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